映画「バッド・アス」2012年 ~帰還兵の勧善懲悪物語~

映画から学ぶ

バスでチンピラが老人に絡んでいる場面に遭遇した彼は、チンピラを撃退します。その時の映像がYouTubeに投稿されて大反響を呼びます。この動画をモチーフとしたアメリカ映画です。

負傷した帰国兵の生活

「親友のクロンダイクが町のギャングに襲撃されBADASSことフランクは自力で犯人捜しを始めますが、町の大物ギャングが背景にいます。クロンダイクはギャングと有力者の市長の悪行の証拠を握ったために殺されたのでした。」

市長でも関係なし

badassの意味ですが、bad「悪い」、ass「お尻」を組み合わせたスラングです。攻撃的で自信家、何にも流されず我が道を行くという雰囲気の人物を表現し、若者の間では最高の褒め言葉として使われます。

相手がギャングであろうと、街中を捜索し、持ち前のBADASS気質でハデに悪者を追い詰めます。ラストシーンでは、途中で助けた隣人アンバーと幸せになります。撮影はLos Angelesで、アメリカを散歩した気分も味わえます。自分の信じた道を迷いなく突き進める心意気は見習いたいです。

機微考察 ~大きな年齢差~

youtubeから生まれたほぼ実話という点が話題となっていますが、ストーリーはシンプルで余計な話がほとんどありません。90分という短めの中に起承転結がほどよくレイアウトされており、完成度は高いです。水戸黄門をみているような爽快な後味です。日常に疲れた時に、ちょっと見てみると元気がでます。

フランクとアンバーが、実際の俳優さんは67歳と35歳でかなりの歳の差(32歳差)があり、フランク役のDanny Trejoは老けてみえることもあり、かなりの違和感を覚えました。67歳でもタフならOKなのでしょうか?

でもbadassだから、ヨシとします!

人の値打ちは後半生で決まる、と言われます(菜根譚より)。フランクは若いころに身体を鍛え、その後は穢れのない精神を鍛え、老齢の齢になり、人として真似できないほどの正しいことを実行します。まさに終盤は良い人生になったと解釈できます。若いころは派手さはなくても、いろいろな修行を積み上げる重要さにも気づかせてくれます。