映画「コンテイジョン」2011年 ~新型ウイルスによるパニック映画~

映画から学ぶ

新型コロナウイルスCOVID-19が広まり始めたころに話題になった映画があります。ウイルス感染映画の中でもリアリティがとてもある映画で、2011年に公開になった映画「コンテイジョン」です。今の世界の現状とかなり似ています。COVID-19の致死率が高ければ、まったく同じ展開になったのではないかと勘ぐってしまうほどです。

あらすじと映画の背景

「ベスは香港出張の帰り、咳と熱を発症しており、同じような症状の人間が香港、ロンドン、東京など各地で次々と亡くなります。接触によって感染する強力な新種のウイルスが世界各地に拡大していく中で、社会が混乱し人々が異常なパニック状態に陥っていく様子を映し出します。」

最終的にはベスが出張中に撮影した写真から「起源」が明らかになります(少なくとも視聴者には)。ウイルスが動物からヒトに感染した場所は、中国ではなく、香港という設定になっています。

本来動物の間だけでおさまっていたウイルスが人間の中で感染するウイルスに進化すると、爆発的に増える可能性があります。爆発的に増えるために変異するのはウイルスが生き残るための「本能」です。ただ、致死率はウイルスの本能とは微妙に異なります。ウイルスは増加することは本能ですが、宿主が死んでしまうことはウイルスの増加にはつながらないからです。

インフルエンザとコロナウイルス

この映画公開の数年前(2009年)に新型インフルエンザの発生で世界が驚きました。その時は、外出先の消毒液に手を伸ばす人が増えましたが、その行動は数年でなくなりました。この事象を振り返って、最悪の場合はこの映画のように世界中がパニックになるという警告も含まれていると感じます。2020年からの新型コロナウイルスでは同じ現象が再開しています。そんなこともあり、この映画が再度注目を集めています。

特権階級にある人が推測(現実か?)で非難されたりするのは今の日本と通ずるものがあります。会議・討論のシーンが度々でてきますが、アメリカではこんな感じの会議をしていたりするのかしら、といろいろと想像しました。

でも一番気になったのは、我が家でときどき出没するコウモリの存在です。コウモリは「動物におけるウイルスをヒトに持ち込む原因」といくつかの映画で設定され、コロナウイルス、狂犬病ウイルスのほかにもさまざまな人獣共通感染症の感染源となっている可能性が示唆されています。コウモリ油断大敵です!

宮崎県立博物館のコウモリ

必然性 ~原因と結果~

今回感じたことは必然性です。何かが起きた時は、その原因があるということです。自分にとって何か困ったことがあったときは、その原因があるともいえそうです。それを見つめなおすには記録をとっておくことなのかと感じました。そんなこともあり、映画を見たら記録する「映画から学ぶ」を楽しく継続します。

今回の新型コロナウイルス感染(COVID-19)が始まったときに、この映画を既にみた人はどれくらいいたのでしょうか。映画では若い人が早期からどんどんと死んでいくという点が、現在のCOVID-19とは異なります。若い人が死ぬと「とんでもないこと」が起きているとすぐに認識でき、感染防御も早期から対策されます。

しかしながら、COIVD-19のように若者は高齢者ほど重症化しないということが分かってくると、若者の一部は「不自由な生活」よりも「風邪+自由な生活」を潜在意識の中で意識していまいます。長期的にはそれが自分の首を絞めることにつながりますが、短期的な視点がどうしても優先していまいます。