映画「ファミリー」1983年 ~母の大きな愛~

映画から学ぶ

学生のころに、友人がレンタルしたこの映画のビデオを、夜一人で鑑賞しました。あまりの感動に暗い部屋で涙を流したことを覚えています。日本語版では「ファミリー」、英語版では「Who will love my children?」という題名で、実話に基づいた話です。日本での劇場公開時のキャッチコピーは、「ハンカチは2枚用意してください。」

自分の病気と子供達

「自分の身体が乳がんに冒されて、余命いくばくも無いと知った女性。彼女は十人の子供の母親でした。死が近づくことを嘆くより、自分がいなくなればこの子たちはどうなるのだろう。彼女は、愛する自分の子供を託すに足るきちんとした里親を、生きている間に見つけられるように懸命に探し始めます。」

本当に感動します。10年後くらいにDVDで持っておきたいという気持ちになり、検索しましたが日本では発売していないようでした。当時はリージョンfreeのDVDデッキを使用していたこともあり、海外のeBayよりDVDを購入しました。早速再生すると英語のみでした。なんとなくわかるのですが、10年前の感動は実感できませんでした。日本語版のDVDが発売されたら、すぐに購入します!

画質は良くありませんが、youtubeで見れます!いくつかのファイルに分けられており、全部見れるかは未確認ですが。

感想と薀蓄(うんちく)

終盤は、少し流れがゆっくりになってしまいます。でも登場する人物の心情が丁寧に描かれています。トータルで私はこの映画がこれまで見た映画の中でもっとも感動しました。

この作品が強い共感をもたらす理由は、自分のことは脇において、自分の愛する人のために奮闘し続けることです。奮闘するのは簡単ですが、奮闘し続けるのは大変です。誰かのために一生懸命になる姿は美しいです。自分も誰かのために無心で頑張り続けてみようと決意しました。

機微考察 ~本能と種の繁栄~

生物は本能で自分の遺伝子を残そうとします。ライオンは自分の遺伝子を残すために、群れのボスになった際には自分の子供でない子供を殺します。子供を育てている間は、メスが発情しにくいからです。草食動物では、まずは自分の子供が大切で、その子供が生き残るためには群れの存続が重要となります。そのためも含めて、群れの子供たちの子育てをする動物もいます。

ヒトの場合では、母子の家庭に新しく父親が入った際は(多くは問題ないのですが)ときに子供に対する虐待が起きます。これは自分の遺伝子を残したいという本能なのかもと思ってしまいます。経済的に育てる子供の数に制約があるときは、連れ子の存在が邪魔に感じるときがあるのでしょう。

この映画の母親は、自分が生み出した子供たちをどうにか幸せを与えたいという一心で里親を探します。動物とは異なり、幸いに全ての子供に里親が見つかります。ヒトも捨てたものではないと感じました。