映画「あしたは最高のはじまり」2016年 ~血縁と過ごした時間の絆~

映画から学ぶ

南フランス・コートダジュールの町で観光客案内をしながら毎日を気楽に過ごすサミュエル。ある日彼の前に1年前に一夜をともにした女性・クリスティンが現れ、自分が産んだサミュエルの実の娘”グロリア”を置き去りにされてしまいます。2016年のフランス映画で、フランスを筆頭にヨーロッパ全体で空前の大ヒット作品となっています。

娘と過ごした時間

「サミュエルはロンドンに渡り、そこでの子育てが始まります。

8年後、クリスティンが現れ、グロリアを引き取ることを希望します。遺伝子検査の結果は、サミュエルとグロリアは血縁関係がありません。グロリアは不治の病で余命いくばくもない状態を知った二人は娘のために何ができるかを真剣に考えます。」

ロンドンバスと街並み

感想です

育ての親(サミュエル)と実の母親(クリスティン)が最終的に娘(グロリア)にとって何が幸せかを考えて、いがみ合っていた関係を修復し、協力するシーンが印象的です。自分にとって最も大切なのは自分ではなく、「自分の大切な存在(グロリア)の幸せ」ということに気づき、それに2人が協力し合うところが素晴らしいです。そしてそれが「最高のはじまり」となりました。

自分のエゴを抑えて、自分の大切なもののために生きるという姿が美しく、この姿勢こそが今の世界に最も重視しても良いかと考えられる視点と思いました。繰り返しになってしまいますが、自分のエゴを究極に抑えて、娘のために出演者全員が協力する姿が大きな感動をもたらします。

機微考察 ~英国とフランスの関係~

2020年末に英国はEUから離脱しました。フランス人は英国にすぐに移動して、仕事を探すこともハードルがひくなったのかもしれません。でも2021年からは大きな連合体はなくなってしまいました。数年後にこの映画を見た英国人がこんなに移動が簡単だったときがあったなあ~、と感じるのかもと勝手に想像しました。

移動手段の発達により、世界はどんどん近くなっていました。でもコロナで飛行機に乗る機会は格段に減少し、現在では宮崎から東京までの距離でさえもとても遠く感じます。困ったものです。

P.S. 以前住んでいたロンドンの風景がところどころ映り、とても懐かしく感じました。ちょっと嬉しかったです。